実りは花咲いて

ゆっくりと振り返る事を許さない程の速度で未だ諸々片付いていないまま、すでに来年の事に着手している部分も混在しながらの年の瀬です。混沌としながらも大きく実った一年が終わりを告げようとしています。今年お世話になった皆様ありがとうございました。
今年はこれまでと違う領域のプロジェクトが多かった気がします。ツムテンカクやマチデコールといった関西に根付いたイベントでディレクションをした事は特に自分やその周りのコミュニティにとって新しい側面が見つけられた出来事だったのではないかと思います。私はそういう事を進んでするタイプではありませんでしたが、今回声をかけて下さった方に対してきちんと真摯に事を遂行する為に、これまでの自分たちの経験や感覚、また時間を割く事はもちろん、今年から設けていた「自分たちのコミュニティを大きくするための資金」をうまく活用できたと思います。昨年末のブログにはコミュニティの発展についての一年にするとの意気込みに対して、この一年はとても良かったのではないかと思います。
そして二度目のサローネサテリテ(ミラノ国際家具見本市にておこなわれる35歳限定の展示会)は、最初に出展した三年前よりもはるかに大きな成果を出す事ができ、その出展を機に海外の家具ブランドのプロジェクトに参加させてもらえるようになったり、普段自分が買っている雑誌に掲載されたり、海外からのオファーやインターンシップの申し込みなどが増えた事。それが実感となって今振り返る事ができます。そんな旅を手伝ってくれた仲間にも感謝したい。同時に台湾で行われた臺灣文博會にも参加し、目標と掲げている年に二度の海外展示会出展を叶える事ができました。色んな方のサポートがあって、こうして外に出る事ができ何かを掴むことができるんだと改めて思います。
また、四度の中国をはじめ、イタリア、フランス、ベトナム、台湾など、昨年以上に旅多き一年で、それぞれの美しい風景を見る事、人間味あふれる文化に触れ、コミュニティを形成していく事でそれらを大阪や日本に還元していける気がしました。自分を育ててくれた街だからこそ、どこまで遠くに行ったとしても外で得た何かを戻す事でつながっていられる、今はそんな気がしています。
昨日はスタッフと簡単に一年を振り返っていましたが、今年のハイライトは二人とも同じで、初回のサテリテで声をかけてくれたパリにあるブランドのディレクターとミラノで再会する事ができ、帰りに寄ったパリでそのスタジオに招いてもらえた事。その幸せな時間とその日のパリの美しい青空は今でもシャンパンの泡のようにキラキラと輝いて心から離れません。夢のような時間を現実の物にしていく為にも来年はさらに覚醒する年でもあります。今年全力で物事を行ってようやく指先で摘まんだような少しのきっかけからそれをカタチ作る一年にしたいと思います。
思えば走り切った一年でした。身体もガタガタですが一呼吸おいてまた次を作っていきます。
良き機会、良き仲間、良き時間に感謝です。
皆さまにとっても新しい何かが開き、新しい息づかいを感じる事ができる、そんな一年になりますよう良い年をお迎えください。