向き合う眼差しが生む未来のエネルギー。

「若さはエネルギーだ」
最近感じます。相対的に老いてきたのでしょうか。大人になったということで済ませられるでしょうか。
11/16(土)と17(日)に神戸で行われる「大芸工展」から先日オファーを頂き、光栄なことに審査員をさせていただくことになりました。自分は常に気持ちは挑戦者ですが、若くまっすぐな眼差しを支えたくなってきた年齢でもあります。また誰かのデザインを審査するのは記憶では三度目だと思います。
大芸工展とは、九州大学芸術工学部、神戸芸術工科大学、名古屋市立大学芸術工学部、東北工科大学の四つの大学の合同展であり、それぞれの有志の学生で運営されています。つまり、芸術工学のイベントです。
芸術工学というスタンスは、芸術(右脳)と工学(左脳)を併せ持つ状態であり、時に芸術を実現するために工学は使われ、工業をよくする為に芸術的な視点や思考が重要だと考えている向かい合った二面性を持ったスタンスだと思います。一昔前であればそれらは分業されていたように思いますが、最近はその異なる領域を軽々と横断するデザイナーが出てきたことは確かであり、コンテンポラリーデザインという呼び名でテクノロジーを利用したインスタレーションや、UI/UXデザイナーのアート作品などを見ると新しい領域として顕在化してきていると思います。
何よりこのイベントの良いところは上記にもありますが、学生が自主的に運営しているところです。自分が22歳のころ、インターネットはありましたがスマートホン、SNS、クラウドファンディングというツールはないため、このようなことの実現性があるかないか以前に想像すらできませんでした。今はそういう意味では世界的なデザイナーもSNSをしており、彼らに直接メッセージを送ったり、世界で起きている様々なことを画面を通じて理解できるのもこの時代の素晴らしさだと思いますし、資金もクラウドファンディングで行い、日々の情報をSNSで発信し運営している。学校の課題や卒論もきっとあると思いますが、その忙しい最中に僕にオファーしてくれたことに何か応えたいという気持ちから快諾させていただきました。
せめてメールを送ってくれた時は緊張していなかったか気がかりです。気楽に送ってくれていたらうれしいかぎりです。
僕自身の話をするとデザインの勉強を始めて24年、現場に出て19年目、独立して11年が経とうとしています。こう書くとたくさん経験したようで、自分の理想からすればまだまだ足りないように思います。ただこれまで僕が見てきたものや作ってきたことから経験値としてこれからの彼らに新しい軸が創り出せたら、この審査を請けたことに意味性が創造できると願い、また同じ道程に居る者としてやはり全力で挑みたいと思います。
お互いの眼差しで未来を生きるエネルギーを生み出せることを願いつつ、エネルギーに満ちた若さあふれる作品に出会いたいです。
大芸工展2019
テーマ「plus one」
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日時
2019年11月16日 (土) ~ 11月17日 (日)
開場時間:10:00~18:00 (最終入場17:30)
講評会 : 11月16日 15:30〜18:00
(入場料:無料)
会場
〒651-0082
兵庫県神戸市中央区小野浜町1-4
デザイン・クリエイティブセンター神戸 KIITO MAP
展示:ギャラリーC
講評会:303会議室
※駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用ください。