SATELLITEへふたたび①

三年前。僕はかねてからの夢であったミラノサローネに作品を出展しました。
仕事も軌道に乗り、コンペで得た賞金もあったりで完全ではありませんが見通しが立ち始めていたので、2011年の元旦に「来年はサローネに出展しよう」と強く決意しました。サローネそのものは以前から知っていましたが、2008年頃の「デザインの現場」の海外特集に記事が掲載されており、本棚からひっぱり出してきてそこに書かれていた主催のCOSMITの日本支社に「サテリテに出展したいんですがここに連絡すれば宜しかったでしょうか?」とメールして物語はスタートしました。本国にメールしてくださいとアドレスを渡され、勇んでメールするもバカンス中だった事で最初連絡がこなくてもやもやしてたのはその少し後の出来事。
ここでサローネ(Salone del Mobile)の説明をしておきます。サテリテ(salone satellite)という場所は35歳以下の若手デザイナー限定の展示スペースで、ローフィエラミラノ会場(Rho Fiela Milano)の中にあります。ミラノサローネのメイン会場であるフィエラに入るのは入場料が必要ですが、サテリテスペースのみ入場無料と言う事で一般の方も多く訪れます。ミラノサローネは世界最大の家具見本市で毎年四月中旬に行われ、6日間で25万人の来場者が訪れます。サテリテにはだいたい6万人弱のデザイナーやプレス、バイヤー、メーカー、学生が訪れます。
初めての海外出展、資金を使ってプロトタイプを作り、ブースのデザインを考えて挑んだ三年前のサテリテ。スタッフのエンヤさんと知り合うきっかけにもなり、インターンに来てくれていた森田君との出会いや、台湾の気鋭デザイナーのSally、Jacky、GinaやスペインのRaul、イタリアのGuidoなどたくさんの新しい仲間とも出会えた場所。多くのチャンスと絆を育んだ場所にまた作品を出展できることになりました。
僕らは三年ぶりにミラノサローネに行きます。SATELLITEへふたたびは、「TENT LONDONというところ」と同じようにレポート形式で少しづつ書いていきます。今後目指す方の何かのヒントになれば幸いです。写真は三年前の設営中のブース。自分の名前の入ったブースを見た時の感動は今も忘れません。またあの場所に行けることがとても嬉しく、また成長した自分で仲間に会える事もとても楽しみでなりません。
そう、「SATELLITEへふたたび。」