SATELLITEへふたたび②

四月にサローネサテリテに出展するにあたり、展示する為のプロトタイプを鋭意製作中であります。
今回の展示で最初に決めた事があります。それは「どこにでもある素材でデザインする事」です。どこにもあまりない材料でデザインする事は、発表はセンセーショナルになりますが、一般の方がそれを手にする事は相当難しいように感じた前回の展示。そこからの反省を踏まえ、珍しい素材で戦うのではなく、アイデアで戦う決意をしました。工法はその限りではありませんが。
三年前の展示は自分自身経験する為に行ったのですが、それだけに自分の甘さというか力及ばない部分が露呈しいい結果は生まれませんでした。それがわかったことが最大の収穫だと思います。それ以来気を付けている事がいくつかあります。珍しい素材を使わない事もその一つかも知れません。その先の可能性を見るのであれば普遍的な素材から逃げる事は許されないのだと思います。
詰まる所素材が面白ければそれだけでアイデアが面白いと評価されるかも知れませんが、そこで終わってしまうのは暮らしを前進させているのか?という疑問にぶつかったからにほかなりません。それは実現できる工場があってこそ成り立つデザインであり、欧州ブランドにデザインを売り込むプラットフォームである「サローネサテリテ」においてはミスマッチな選択だったなぁと改めて思います。
ですので今回は「在り来たりな素材」で進めています。きっとその中にもまだ見ぬ、美や体験があるはず。それを探す事こそ僕らが掲げている[DISCOVER THE UNKNOWNS]なのではないかと思っています。少しづつですがカタチになってきました。
展示会にプロトタイプを出す事は、クライアントワークから少し離れて自分のデザインの「キャリブレーション(軸出し)」の役割を担っています。いわば蒸留作業でしょうか。アイデア(想い)がカタチ(試作)になり、モノ(暮らし)へと変わる。そういうプロセスを感じられる事もすでに今回の展示を決定して良かったなと思える事。欧州への出展にはとても多くのお金がかかりますが、それを支払っても得るものが多くあります。
「機会は二度来ない。」
今日もこの後深夜に及ぶ試作の打ち合わせ。隅々まで考えを刷り込みます。