SATELLITEへふたたび③

三年前のサテリテ、二年前のIFFT talents、昨年のTENT LONDONで多く学んだ事は作品そのものをいかに効果的に伝えるかの「魅せ方」です。
多くのブースが軒を連ねる展示会の場合、来場者はフラットな気持ちで作品を見るわけですがその来場者を迎える場所のデザインがいかに大切かという事を過去三回の出展で学びました。特にIFFTとTENT LONDONでは他のブースがやっていない展示の見せ方を強く意識することで、一歩抜けた「軒」を実現できたように思います。
今回の展示は一つの一貫したコンセプトを三つの商品で展開すると言う物で、それをどのように伝えればわかりやすいかを様々検討していきました。ファサードイメージ、プロトタイプのレイアウト、シンボルとなるサインのデザインとその魅せ方、照明計画など考えなければならない事がとても多いですが、それだけにプロトタイプと同じだけの労力を使わなければバランスが悪くなってしまいます。
今回は木の表面を乳半でコーティングした材を検討しています。その上にプロトタイプが二つ載ります。木のままではデザインが沈みますが、白の塗装を施した木でなくてもいいものでは他と同様のありがちな見え方になってしまいます。その間を狙ったデザインを目指しています。少し気になる。遠目には白を基調とした上質な展示。近づくとディテールが見える。そういう空間づくりをしようと思っています。それも全て伝えたいデザイン(メッセージ)の為。
ディテールに神が宿ると言いますが、「作り手の本気度」は隅々にこそ宿ると私は思います。