15/11/20
15/11/20
気を吸い込む
9/10-18に上海に行ってました。今年のミラノサローネで出展した時、秋にロンドンのアートギャラリーで展示する話が浮上したのですがとある理由でそれが急遽なくなり、「せっかくならアジアに行かない?」とスタッフの勧めもあり上海のシーンを視察に行くことにしました。
今年はとにかく海外に行くことが多く、年明けの中国の青島出張を皮切りに、イタリア、フランス、あと明日からベトナム、来月は締めに台湾に行く予定になっていて一年で五か国も回らせてもらい、とても濃密な一年だった気がします。年に一回海外出展を予定するとそれを基準とした年間スケジュールになりますが、今年は私は行きませんでしたがミラノの一週間後に臺灣文博會という台湾のデザインイベントに出展し、年二回の海外出展にも恵まれました。そして学びの秋として上海に向かったわけです。
上海は中国経済の中心地であり、また外資系企業が中国マーケットを狙う為の拠点が多い為欧米人らしき人が多く歩いています。またお店のインテリアも非常に洗練され、海外ブランドが軒を連ねて日本よりもはるかに大きなお店を構えているなどとても勢いを感じました。そんな上海をアテンドしてくれたのは今年のサローネサテリテで一緒だった台湾人のデザイナーIAN YENとJOSIE WANG。彼らは台湾人でありながらチャンスを求めて上海に拠点を持っていて彼らから色んな情報やコネクションをもらいました。あまりたくさんの情報はここでは公開できませんが、確かに言える事は日本はクリエイティブも政治も少し閉塞的になってきているのではないかと思います。先入観なく海外で行われているクリエイティブな事象を見つめればまた違った見え方をする物ですね。日本でも見た事のないたくさんのデザインを見て、触れて、そのマインドを感じてきました。どう中に反射されるかはこれから考えますが。
僕らはアジアのデザイン事務所として、それぞれの都市がどういう事情があり、どのように発展してきて、どういうデザイン観や街意識があるかを現場に行ってその場の空気を吸い、食べ物を食べて、人と話して知っていく必要があります。その中で複合的に見えてきた価値観に対してデザインという手段により表現する事が求められているような気がします。そういう意味では上海は日本のどこよりも強さがあり、また数多の国が統治してきた街なだけに様々な様式が入り乱れたミクスチャーシティである事も魅力の一つになっている気がします。
新しい上海のクライアントとも初めてお会いしプロジェクトの打ち合わせをしました。「外国のデザイナーで遠くなのにわざわざ来てくれるなんて。」と言われましたが僕らは求められれば基本的にそこに行き、直接その人達と会って初めて求める物が理解できると考えています。そういう意味でもいいタイミングでオファーがあって打ち合わせする機会があって良かったなと改めて思いました。
そういえばとても嬉しいニュースがありました。二年前のインテリアライフスタイル展 Talentsで僕らの後ろのブースだったBELA designのZhang Feiと再会。彼らは当時照明作品が壊れたり電圧の問題などでかなり困っていた所を手伝ってあげた経緯もあったのですが、二年の間にいつのまにかブランドは大きくなって工場も持ってスタッフも10数人になっていて大きく差が開いてしまいましたが、不思議と悔しい気持ちも無く、それすらとても素直に喜べる嬉しい仲間との再会でした。いつか一緒に何かできるといいなと思います。
大きなアウトプットをする為には、大きなインプットが必要です。それは呼吸のように大きく吸わないと大きな声は出ない事と同義だと僕らは考えています。胸いっぱいに様々な想いや熱を吸い込んだので、また来年の春に向けてしっかり吐き出して行きたいと思いました。
DESIGN YXR [IAN YEN]
http://www.designyxr.com/
BELA design [ZHANG FEI]
http://www.beladesign.cn/